イエズス会召命・活動物語り3

ローマでは10月から11月にかけて、新しい総長を選び、今後の方針を定めるため、イエズス会の総会が開かれ、世界中の80余りの管区、地区の代表として215名のイエズス会員が代議員として集まりました。その中から、幾人かの代議員に、イエズス会の活動を少し語っていただきましょう。

エティエンヌ・グリユー神父(西ヨーロッパ、フランス管区、54才)にお聞きします。

(聞き手:ローマにて佐久間勤神父)

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Q.いま取り組んでおられる使徒職は何ですか。

A.パリにあるイエズス会の神学部で教えています。担当科目は秘跡論などですが、研究課題としては物語りによる神学を目指しています。それは人々に現実体験を語ってもらい、その中に神学の新しい視点を見出そうとするものです。私が属しているイエズス会の共同体はパリの中心から電車で1時間ほどかかる郊外にあり、移民の家族も多く、ドラッグの問題などもあり、経済的にも厳しい地区です。数人の協働者とともに、地域の人々と友人となり、経験の分かち合いをしてもらいます。自分にとって信仰とは何か、希望とは、喜びとは、といったテーマで人々が心の思いを語るのに耳を傾けます。

Q.人々の物語に耳を傾けるのにはどんな意味があるのでしょうか。

A.フランスでもキリスト教信仰を次の世代に伝えることが困難になっていますが、家庭で祈ることが大切です。親たちが家で祈っているのを見て、子供たちは信仰を喜びとして受け継いでいけます。私の協働者たちが4年間かけて「家庭で祈る101のヒント」という祈りのガイドブックを作りました。家での祈りは3つのステップで進めます。まず親、子供たちがそれぞれ今経験していることを語り合うステップ。第二のステップは、それぞれの経験を象徴するような物を持ち寄って、それにまつわる思いを語り合うステップ。そして最後は聖書の言葉を聞いた入り神に願ったりする祈りのステップです。具体的には、まず、親たちは仕事場でのこと、子供たちは学校や友人と経験したことを分かち合います。第二ステップは典礼的はステップで、仕事で使う道具やメガネなど、友達と一緒に集めた木の実などを持ち寄ります。経験とシンボルを経て、祈りが実のあるものとなります。

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Q.イエズス会司祭になろうと思った動機はなにでしたか。

A.私が育った家庭はカトリックでしたので、幼いころは教会に通うのが好きでした。しかし公立学校に通いそこでの無神論的な雰囲気に影響されて、いつの間にか教会から離れていきました。また教会にもどったきっかけは、病院で献身的に働いている看護師の修道女たちとの出会いでした。病院という厳しい職場でも、現実をしっかり踏まえた喜びに満たされているその生き方に触れて、単なる合理的な価値を超えたものに目が開かれました。何か教会のためにできることはないかと考え、教区の召命の集いにも3年間参加するなどして探していたときにイエズス会員と出会いました。イグナチオの信仰の生き方に魅力を感じました。神に深く完全にゆだねることと、人間性を100%生かそうとすることとが一つになっているからです。

Q.イエズス会員としての喜びはなにでしょう。

A.神を知らずに生活できる現代に、キリスト教信仰を意味ある言葉で伝えるにはどうすればよいのかということが、私の課題です。その答えは日々の祈り、学校や共同体、協働者など人々との出会いの喜びにあると思います。そこに神の現存を感じるからです。日常のささやかなことに、イエスとともにいる喜び、神とともにいる喜びを感じるのです。人々にもこの喜びを伝えたいと願っています。

イエズス会召命・活動物語り2

現在ローマでは、新しい総長を選び、今後の方針を定めるため、イエズス会の総会が開かれ、世界中の80余りの管区、地区の代表として215名のイエズス会員が代議員として集まっています。今回の総会では初めてブラザー会員も総長選挙権を有する代議員として参加しています。その一人、ブラザー・コンソルマーニョさんにお話を聞きました。(ローマから佐久間勤神父)

ブラザー、ガイ・J・コンソルマーニョさん(アメリカ合衆国、メリーランド管区、65才)にお聞きします。

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Q.ブラザーはどのような使徒職に携わっておられるのですか。
A.私は天文学者として働いてきました。現在はヴァチカン天文台長を務めています。専門分野は隕石の研究で、日本の天文学者とも広く交流があり、何度も日本の大学やJAXA(宇宙航空研究機構)を訪れました。
Q.イエズス会員として天文学の研究をするようになったのはどうしてですか。
A.イエズス会の会員には16世紀に創立された直後から現代まで、著名な天文学者がいます。その伝統から教皇立ヴァチカン天文台の運営にもイエズス会が深く関わることになりました。私自身の召命についてお話しするとすれば、私はミシガンの星のとてもきれいな町で生まれ育ちましたので、子供の時から天文学に興味を持っていました。小学生の頃はスプートニクという最初の人工衛星が打ち上げられたときですし、高校時代はアポロ宇宙船が最初に月面着陸したときでしたので、皆が天文学に興味をもっていた時代で、私も天文学が勉強できるマサチューセッツ工科大学に入学しました。それと私はSF小説が好きで、SF小説の大コレクションがあったのもこの大学を選んだ理由でもあったのですが。
Q.大学時代から修道会に入会することを考えていたのですか。
A.学生時代に少しイエズス会入会を考えたこともありました。しかし、祈りながら考えた結果、自分は司祭職には向いていないと思い、そのまま天文学研究の道を選びました。博士号も得て大学で教えながら、科学者として喜びをもって20年ばかりを過ごしました。しかしそのような充実した生活の中にも、何か物足りないものを感じるようになり、より深い意味をもった生き方を探すようになりました。たまたまその時に博士として働いているイエズス会のブラザーと出会って、自分が求めていたものをはっきり意識するようになりました。こうして37歳のときにイエズス会入会を志願しました。
Q.イエズス会のブラザーとして働く意味なにでしょうか。
A.さまざまな天文学者たちと共に働くことに意味があると思います。私が修道会に属していることや、司祭ではなくブラザーとして生きていることを、質問されれば答えますが、まず理解されません。まして直接の宣教活動をするわけでもありません。しかし普通、司祭たちが入っていけない世界にも、私たちのような専門をもったブラザーなら入っていけます。信仰を生きるという喜びや幸せを、直接にはできなくても、人々と接しているうちに伝えることが私の使徒職と思います。これからのイエズス会のブラザーには、何かの道の専門家となって働くことが求められるでしょう。
Q.イエズス会での召命の喜びはなにでしょう。
A.それは共同体に属して生きていることの喜びです。それもただの学者の共同体ではなくて、信仰と神の愛に基づく生き方を共有することができる人々と、共に生きることができる喜びです。もうお亡くなりになった柳瀬睦男神父様に黙想指導をしていただいたことがあり、大変深い感銘を受けました。柳瀬神父様も優れた物理学者でした。信仰や宗教とは無関係と思われがちな科学の世界にも、イエズス会員は派遣されるのです。

イエズス会日本管区新しい管区長

イエズス会日本管区にレンゾ・デ・ルカ神父が新しい管区長に任命されました。Fr Renzo De Luca has been appointed the new Provincial Superior of the Japan Jesuit Province.

1981年にイエズス会アルゼンチン管区に入会され、1985年に来日され、1996年に叙階されました。After joining the Argentina Jesuit Province in 1981, in 1985 Fr Renzo arrived in Japan and was ordained a priest in 1996.

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2004年以来、長崎市日本二十六聖人記念館の第2代館長としてキリシタン歴史研究に貢献されています。At present Fr Renzo is the director of the 26 Martyrs Memorial Museum in Nagasaki.

イエズス会召命・活動物語り

現在ローマでは、新しい総長を選び、今後の方針を定めるため、イエズス会の総会が開かれ、世界中の80余りの管区、地区の代表として215名のイエズス会員が代議員として集まっています。その中から、幾人かの代議員に、イエズス会の活動を少し語っていただきましょう。
(リポーター : ローマから佐久間 勤 神父)

ヨセフ・マリアヌス・クジュール神父(インド、ランチ管区長、55才)にお聞きします。

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Q.今取り組んでおられる使徒職は何ですか。
A.今は管区長をしていますが、使徒職としては少数民族、部族生活をしている人々のための研究をしてきました。社会人間学が専門で、少数民族たちは自分たちの文化や言語を守り、権利を正当に実現するためには、インドという大きな社会と衝突することがしばしばです。私は研究者として解決方法を探り、インド政府の特別委員会のメンバーとして政策を提言したりしています。発展、行政、部族問題、健康政策、移民などさまざまなことが課題になります。

Q.イエズス会に入ろうと思ったのはどのような動機でしたか。
A.私が生まれた家庭は熱心なカトリックで、子供の時から教会に行っていました。中学校はイエズス会の経営する学校でした。黙想会にも何度も参加しました。将来何か人々に貢献できることに献身したいと考えていたときに司祭になるというアイデアが生まれてきました。その時迷ったといえば、教区司祭になるか、イエズス会司祭になるか、という選択でした。

Q.イエズス会司祭の道に決めたのはどうしてでしたか。
A.それはイエズス会司祭が知的にも信仰の生き方にも深みを感じたからです。簡素な生活とイグナチオ的霊性の深みが魅力的でした。前総長のニコラス神父も今のイエズス会員全員に呼びかけておられますが、どのようなゆがんだ執着や思い込みからも自由になって、深い理解、深い信仰の生き方を目指すことこそが、その時イエズス会に惹かれた理由ですし、今も変わりません。どんなに知的であっても深い信仰の生き方が欠けているなら無意味です。その逆に、どんなに深い信仰の生き方をしているとしても知的なことが欠けているなら、その生き方は大変危険です。

Q.知的な深みは学問的な訓練で得られるかもしれませんが、信仰の生き方を深めるにはどうすればよいとお考えでしょうか。
A.それは私も日々探し求めていることで、何かの決まった方法を教えることはできません。ただ、私にとって信仰の生き方を深めるのに大変刺激になっていることが一つあります。少数民族の人々や彼らのために共に働いている仲間たちと一緒に集まって、自分たちが経験している困難や苦労を語り合い分かち合うことです。現実に直接触れるエクスポージャー、共に耳を傾け共に省察を深めるレフレクションを通して、皆が互いを支えあっていることが実感されます。人々と共にいて、共に経験し、共に苦労することが私の喜びであり、また私の信仰の生き方を深めてくれる大切な機会だと感じています。

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